中学生時代、別室登校だった

 私は中学3年間のうち、2年間が別室登校でした。

 自分と見つめ合い、悶々とした日も多かったです。

 しかし、かけがえのない学びもありました。

 そんな時期を、振り返ります。

 

 

【入学早々、教室に行けなくなった】

 私は、私立の中学校に入学しました。

 小学生の時は、教室に行けずに終わりましたが、新天地である中学校でならば、教室に通えると期待していました。

 (小学生の時のことはこちら ↓)

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 入学早々、困難に遭いました。

 クラスの子と、全然親しくなれないのです。

 クラスでは、フレンドリーな子を中心に、次々と友達の輪を形成していました。

 1人でポツンといる私には、誰も話しかけません。

 私から、周りの子に話しかけたりもしましたが、会話が続きません。

 小学生時代の保健室登校などで、私の対人スキルが、下がっていたのです。

 

 1人でいる、寂しさと、羞恥。

 試行錯誤しても、友達ができない悲しさ。

 堪え切れなくなって、学校を休み始めました。

 

 両親は激怒です。

 私が「中学校では、頑張ってクラスに通う」と言ったのに、4月半ばで休み出したのですから。 

 連日、両親の叱責と私の泣き声が、ぶつかり合いました。

 両親に、車へ押し込まれ、学校の前で降ろされたこともありました。

 

 状況を変えたのは、教頭先生でした。

 彼は、私と父を、ファミレスに呼び出しました。

 私はアイスを食べながら、自分の心境を語りました。

 私が帰宅した後は、教頭先生と父だけの面談が行われました。

 

 翌日から、両親が私を責めなくなりました。

 どうやら、教頭先生の話が響いたようです。

 教頭先生のお子さんも不登校だったそうで、両親の心境に寄り添いつつ、私の気持ちを尊重するように伝えたらしいです。

 

 教頭先生の計らいで、校内の小さな個室に通い、自習するようになりました。

 滞在時間は、その日次第。

 この時の支えは、学校の門番さんでした。

 彼は、私が長時間学校にいた日には、褒めてお菓子をくれました。

 

 年が変わるまで、別室登校は続きました。

 2月頃、なんとか自分を変えたくて、思い切ってクラスに戻りました。

 そのまま1年生が終わるまで、教室で授業を受けました。

 

【クラスを楽しんだ2年生。だけど…】

 中学2年生は、年度初めから教室に通いました。

 新しいクラスは、気の合う子が多くて、充実した学校生活を送りました。

 楽しくて、学習も友人関係も頑張っていました。

 

 しかし1月頃、急に心の糸が切れました。

 楽しくて気が付かなかったのですが、色々頑張り過ぎていたようです。

 疲労が溜まり、ある日、きっかけもなく「もう無理…」となりました。

 

 私は、別室登校に戻りました。

 ショックでした。

 2年生は教室に通えて、「自分は成長した」と思っていたのに、また別室登校になったのですから。

 「私は、根本的に教室へ行けない、ダメな人間なんだ」と、落ちこみました。

 

【3年生は、ずっと別室登校】

 3年生は1年間、別室登校でした。

 この時期に辛かったことは、先生に「3年生は授業に出ないと、勉強についていけなくなる」と言われたことです。

 

 教室に行きたくない私は、必死に自習し、テストで高得点を取りました。

 授業を受けなくても困らないことを、証明したかったのです。

 思惑通り、私のテスト結果を見た先生は、授業を受けろと言わなくなりました。

 安心した一方、テストの点だけで、自分の良し悪しが決まる感じが、むなしかったです。

 

 その後も、先生からの小言を恐れて、自習に力を入れました。

 小言はありませんでしたが、自分の将来が不安で、悶々としました。

 「勉強ができても、大人になった時、働けなかったら困る。他人とうまく交流できない私が、就職できるのか」と。

 

 そんな日々の中、楽しい思い出もあります。

 途中から、2年生からの友達が、私と一緒に別室登校を始めたのです。

 友達とは、楽しく雑談したり、悩みや不安を共感し合ったりしました。

 

 その子の伝手で、クラスに行かない数名の子とも、交流しました。

 体育だけ参加する子や、平日昼間からカラオケやゲーセンで遊ぶ子などがいました。

 どの子も、生き生きとしていました。

 私は「中学生時代を満喫する方法は、多様なんだ」と知りました。

 

 また、私の学校は中高一貫でしたが、別の高校に進学する子もいました。

 「自分に合う学校に、移ってもいいんだ」と、目から鱗が落ちました。

 

 教室に行かない子たちとの交流は、ライフスタイル進路自由さを教えてくれました。

 

【中学生時代を振り返って、思うこと】

 当時は、教室に行けない自分はダメ人間だとへこみました。

 今は、そんなことはないと思っています。

 教室に通う子もいれば、教室以外の場所が合う子もいます。

 私は、教室以外の場所で、マイペースに自習するのが合っていたんです。

 

 自分に合うその生活で、かけがえのないのない学びを得ました。

 例えば、内観が得意になったこと。

 「なぜ教室に行けないのか」と、自分の状態を見つめ続けたからです。

 教室に通わない子たちから、学んだこともあります。

 「どんな方法だって、どんな生き方だって、本人が幸せならいいんだ」と。

 

 別室登校は、自分を支える能力や価値観を得た、大切な体験です。